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p103

無理数など計算可能性

何かあるも、たとえば、無理数、計算可能性を考えるときは、計算誤差というも(丸め誤差こと、それ以外誤差は理論では考えない)を注意深く考えに入れなくてはならない。大雑把に言うと、あるもが計算可能である、ということは、与えられた誤差範囲内で結果を与えるアルゴリズム(きちんと決まった有限的な手段)があるということだ。M. B. Pour-El and J. I. Richards, Computability in Analysis and Physics (Springer, 1989)がこ話題についてはよい参考書である。

 もっと実際計算機に近く数字一つずつではなく、浮動点計算ように、「実数」をひとまとめにして計算可能性を扱うという行き方もあった [近づきやすい解説として, J. F. Traub, ``A continuous model of computation' Physics Today May, 1999, p39がある.]。これは特に最近、ブラム(Blum) [L. Blum, M. Shub and S. Smale, ``On a theory of computation and complexity over the real numbers: NP-completeness, recursive functions and universal machines,'' Bull. Amer. Math. Soc.  21 , 1-46 (1989); L. Blum, F, Cucker, M. Shub and S. Smale, Complexity and Real Computation (Springer, 1997).] によって有名になってきた。われわれがここで使う計算理論、つまり、従来計算理論では、実数はいつも自然数列として扱われる。これと対照的に、こ新しい計算理論では実数は丸ごと一体として扱われる。ディジタル計算機中では実数は一体として扱われるといっても、実際には有限桁二進数であるから、計算時間などを問題にしないときは整数計算と変わることはない。そこで、こ本では、計算理論といえば、いつも従来理論を指す。

計算可能性は物理に関係するか

物理学会誌 45(6) 421 (1990)に上記 M. B. Pour-El and J. I. Richards, Computability in Analysis and Physics (Springer, 1989)の紹介を書いた.そ中で物理へ関係を少し議論している.PDF

http://nels.nii.ac.jp/els/110002076575.pdf?id=ART0002374435&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1249333325&cp=

から無料でダウンロードできる.これがだめなときは

http://ci.nii.ac.jp/Detail/detail.do?LOCALID=ART0002374435&lang=ja